講演
未来は星群の中にある
デザインの置かれている編み目のような現実への5つのテーゼ

ミヒャエル・エールホフ Professor Michael Erlhoff
1_____
デザインのもつ、様々な専門領域が重なり合った次元は、主意主義的な主張のあらわれというよりは、むしろはるかに社会的現実というべきものである。
2_____ なぜなら、デザインの成り立ちの唯一の根拠が専門領域のない専門領域(規範なき規範)にあるからであり、デザインというものが専門的能力の協調という全く新しい考え方から発生したものだからである。
3_____ このことは、社会的なコンテクストのなかで明らかであると同様に、デザインと経済との関連性の中にも明らかである。というのも、デザインは製品開発・製品流通のあらゆる局面に関与するものだからである。それは、デザインが構成と経験的知識、伝統と未来、あるいは認識と変形を結びつけるものであることによる。
4_____ デザインのもつこうした統合力は、エコロジー、経済、コミュニケーションというグローバルな視点から考えるときいっそう明らかとなり、かつ大きな実りをもたらす重要なものであることがわかる。すなわち、分かちがたい関連性が存在することを、こういった領域がわれわれに、実に鮮明に見せてくれるのである。
5_____ このような視点に照らすならば、専門家(スペシャリスト)は単に視野の狭い素人にすぎず、博学な人(ジェネラリスト)こそが生けるディレッタントである。そして、未来はかれらのものである。