運動としての基礎デザイン学30周年記念講演会
[デザイン学からの提言]

■講演者:
ミヒャエル・エールホフ Prof.Dr.Michael Erlhoff
  (ケルン工科大学デザイン学部教授/同学部長、デザイン関係学・デザイン学)
グイ・ボンジーペ Prof.Gui Bonsiepe
  (ケルン工科大学デザイン学部教授/フロリアーノポリス大学客員教授、インターフェイスおよびハイパーメディア・デザイン)
ウタ・ブランデス Prof.Dr.Uta Brandes
  (ケルン工科大学デザイン学部教授、デザイン社会学・生活形成学・女性学)
向井 周太郎 Prof.Shutaro Mukai
  (武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科主任教授、デザイン学)

■日 時:1997年11月15日(土)
■会 場:東京デザインセンター・ガレリアホール
■主 催:武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科30周年記念事業実行委員会
実行委員長 向井 周太郎 (武蔵野美術大学教授)
事務局長 宮島 慎吾 (武蔵野美術大学助教授)


武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科について
       1967年4月に設立されました「武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科」は、1997年4月に創設満30年を迎えました。設立当初より、専門分化した技術教育としての デザイン教育を、生活、産業、文化の総体としてのありようの中で、 さらに高揚、覚醒させるもうひとつの新しいデザイン教育を標榜した運動体として、本学科は、その総合の理念に沿った「基礎デザイン学」教育を実践してきております。
この「基礎デザイン学」教育が目指した新しい専門職能と対象領野の開拓は、今日、1,300余名を数える多くの本学科卒業生によって担われ、体現されてきているものと自負しているところであります。
30年前の設立当初から本学「基礎デザイン学科」は、今日現実となった高度情報化社会出現を予見し、デザイン関連諸科学の高次な技術論の統合的的見地から、コミュニケーションとインフォメーション論をその教育実践の根幹に据え、記号論的思考や先端科学理論への関心をカリキュラムとして構成してきています。
その構成内容は、高邁なる理念ゆえに難解であるきらいはあるものの、先進欧米諸国においては既に、「デザイン学」の成立は、高等教育におけるデザイン教育の大前提として存在し、さらに、「情報デザイン学」や社会生活との連関に即した社会デザインや文明デザインへの展開として、研究実践や新たなる教育体系への導入の取り組みが進んでいます。