基礎デザイン学会2001年度研究大会
■基礎デザイン学会2001年度研究大会概要説明
 本年2001年度基礎デザイン学会研究大会は、今後しばらくの間、学会として取り組む 基調テーマ「21世紀のデザイン教育」の初回として、「デザイン教育の資源」と題して、武蔵野美術大学(東京都小平市)を会場に、12月1日(土)、12月2日(日)の2日間にわたり行なわれます。
 具体的には、このテーマに即して、「基礎デザイン学リファレンス」と称する事前準備を含めた研究プロジェクトを行ないます。研究大会日程においては、1日目を研究プロジェクトの<ワーショップ>にあて、2日目をゲスト・スピーカーによる講演ならびに研究成果発表および公開討議等で構成される研究大会となっています(区分上、12月1日<をワークショップ>、翌2日を<研究大会>と称しています)。
  ■「基礎デザイン学リファレンス」プロジェクト
「基礎デザイン学リファレンス」は、「デザインの知」の形成や、それに先ずるデザインへの知の構成を通して、デザインの源泉および、今後の社会におけるデザインのありかたを探る基礎デザイン学の支柱の一つとしての文献リストを制作し、それを、デザインの実践や研究、デザインのための教育の資源として位置付けようとするものです。
 このプロジェクトにおける研究作業は、多様なかたちで存在する「知」を、デザインの行為や過程に照らしながら様々な方向と意味合いから収集、整理することを意図するものです。今回作成される文献リストは、事前準備を経て、研究大会前日のプロジェクトメンバー参加によるワークショップ(「セッション」)を行い、制作されて、翌日の研究大会で発表、討議されます。
 今回のワークショップは、多様性を内包したより充実した文献リスト制作に向けてのその第一回目の試みと考えています。
「基礎デザイン学リファレンス」プロジェクトのページへ
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(11/22(木)AM3:00以降アクセス可能)

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  ■<ワークショップ>について
 ワークショップは、今回の作業のために限定して設置された文献リスト上の9つの範疇(「クラスター」)に合わせてもうけられ、各4名程度を文献選定メンバーとします。内1名には、ワークショップの進行ならびに翌日2日目の発表内容の取りまとめを兼任するモデレーターを含みます。
 ワークショップでは、事前準備段階の作業で各メンバーから提示された文献を基に、当日参加するメンバー間討議において各12冊以上を目途とする文献を選定し、それらを合わせるかたちで全体の文献リストが形成されることになります。
(11/1〜11/31をメンバーからの文献提示期間とし、提示のあった文献に関しては、随時、大会実行委員会を通じて大会ウェブサイト上で告知されます)。
  ■文献リストのための9つの領域
今回、設定される範疇は、デザイン領域およびデザイン関連領域の二つの領域に大別し、以下の9つの範疇とします。
1)5つの「デザイン領域」として、
●「デザイン方法論」
:サーべイやロジスティクスを含むデザイン過程のシステム、デザイン計画などを中心的に扱ったもの
●「造形学」
:制作上の技術、技術上、手法上の着想と知覚との関連などを中心的に扱ったもの
●「デザイン史」
:デザインやその展開運動のケースやケース間の連関、デザイン史における歴史哲学などを中心的に扱ったもの
●「デザイン総論(概論)」
:デザイン総体を俯瞰したものやその社会的位置付け、デザイン全般の展開の方向、またこれらと教育との関連などを中心的に扱ったもの
●「デザイン思想」
:デザイン思考のありかたそのもの、デザイン倫理などを中心的に扱ったもの
2)4つの「デザイン関係領域」として、
●人文科学
●社会科学
●自然科学
●工学
:これらは直接デザインへの言及がないものであっても、その解釈において、デザインの問題/課題群を考えるにあたり含意あると思われるものを含みます。
 なお今回対象となる文献は、日本語の書籍(日本語訳されている外国文献も含)とし、著者以外の編者によるアンソロジーの類も対象文献に含むこととします。
(註:日本語訳のない外国文献や論文、図録、さらには参照すべき、デザインのケースやオブジェクトは、今後のプロジェクト展開で対象としていく予定です)
  ■研究大会全体総括討議について
 ワークショップ終了後、大会2日目に、各範疇のワークショップ間をつなぎ、メンバー全員による全体総括討議を行ないます(この討議は、公開討議であるため会場への一般参加もあります。また当日会場におられない会員の方々に向け、ストリーミング技術を用い、インターネット上でのキャスティングを予定しています)。
 全体総括討議においては、まず各ワークショップのモデレーターによる、文献リストの提示、ならびに選定基準に関する発表を行ない(各10分間とし、前後半に分け計90分間)、そののちに討議に移ります。
 この討議は、各モデレーターに加え、武蔵野美術大学基礎デザイン学科の向井周太郎主任教授が参加する円卓形式をとり、会場からの発言も随時合わせながら進行します。
 討議に際しては、デザインの本源や今後の社会におけるデザインのありかたを探るための鍵となる選定文献や選定基準の確認を通して、これからのデザイン分野分類の形態と、そこに見られる関係、またそれらと大学におけるカリキュラム構成との関連が今後どうありうるか、どうあるべきかといった点に関する議論を行ないます。
 議論中、各モデレータからの文献リスト提示の時点において一部の単一文献が複数範疇にまたがることや、それら文献の存在から範疇自体を更新する必要があることなどが明らかになると予想されます。今回の討議ではそれらの点も今後の可能性を示すものとして直接取り上げ、組み入れていきたいと考えています。
 全体総括討議終了後、文献リスト「基礎デザイン学リファレンス」の配付を予定しています。文献リストは、各範疇内において関連する文献を収めたタテの線と、範疇間にまたがって関係する文献を結ぶヨコの線から形成される文献リストとなることが予想されます。
 この文献リストを、今回の範疇から見ることのできる可能性と、今後への新たな可能性の対比そのものを表わすデザイン教育の資源として、全体総括討議の結論と合わせた、今回の試みの成果ならびに、今後のプロジェクト展開の契機としたいと考えております。
 なお、全体総括討議の模様は、取りまとめた上、あらためて学会ニュース・レターならびに基礎デザイン学会ウェブサイトに掲載する予定です。
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